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健診と検診

掲載月:2003/05

ひょうご経済戦略 2003年5月号

 

財団法人兵庫県健康財団 保健検診センター 所長 伊藤 一夫

 

 健診と検診、二つの言葉が使われています。どう違うのでしょうか?以前、冷麺と冷やし中華はどう違うのか、という大論争がありましたが、西日本と東日本とでは言い方が異なるようでした。確かに注文して食べたいものが出てこないのは大問題です。健診と検診は同じケンシンやから大したことないやないか思われるかもしれませんが、私共の業界では、次の様に使い分けをしています。

 

 健診は、健康の程度を評価するもので、血圧やコレステロール等の検査がこれにあたります。これらの検査は、基準値を少しでも超えたら病気で、基準値以下なら全く安心と割り切れるものではありません。また、血圧やコレステロールが多少高くても、それで何か症状が出てくるというものではありません。血圧やコレステロールを高いまま放置しておくと、将来脳卒中や心筋梗塞といった命にかかわる病気にかかるリスクが高くなるから問題なのです。また、こういった数値は、5年、10年といった長期の時間経過の中で見ていくことが大切です。(財)兵庫県健康財団では過去5回分の健診結果が、一目でわかるようなお知らせをお返ししています。そういった数値の変化と、ご自身の生活習慣とを考え併せて、ご自身の問題点を認識していただき、生活習慣改善に役立てていただきたいのです。

 

 そして、その成果を次回の健診で確認できれば良いのですが・・・。少なくとも悪くはしたくないものです。


 ただ、人間は遺伝的に一人一人異なっておりますので、同じ生活習慣であっても、同じような結果になるとは限りません。一部の方(特に閉経後の女性)は特にコレステロールの多い食事をされなくても、コレステロールが高くなります。そして、コレステロールのほとんど含まれない食事をしても、あまり下がりません。こういう方は、あまり無理な食事制限をしてみても、貧血の原因にもなりますし、また食生活がつまらなくなります。それに、もともと日本人の女性は心筋梗塞になる割合が低いので、検査で様子を見ながら、場合によってはお薬の力を借りた方がお得かもしれません。

 

 また、逆にコレステロールの値やその他の検査値に特に問題がない方ならば、霜降りで脂ののったステーキや、卵やバターのたっぷり入ったケーキを安心して食べていただいても結構です、ということになります。お得な体質です。もちろん、肥満や胸焼けにならない程度に、ですけれど。

 一方、検診は、各種のがん検診とか結核検診とかで、特定の病気があるかないかを調べる検査です。一般にがん検診では、「要精密検査」と言われたからといって、その方が特にそのがんにかかりやすいわけではありません。また、逆に「異常なし」と言われたからといって、そのがんにかかりにくいとも言えません。(ただし、最近一部のがんでは、かかりやすさの検査も行われています。)手遅れにならないで治る時期のがんを見つける一つのステップですので、「要精密検査」と言われた方は、是非精密検査をお受けになってください。その結果「異常なし」となることも多くあります。

 

 そして、精密検査をお受けになって「異常なし」となった方も、始めから「異常なし」の方も、がんにならないためには、生活習慣の改善に心がけていただきたいと思います。
肺がん検診をお受けになって異常無しとなったからといって、「これでまた、これからもおいしいたばこが吸えます」とはなりませんので。


 健診でも検診でもたばこはNOです。

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