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腰痛は予防が大切

掲載月:2003/11

ひょうご経済戦略 2003年11月


財団法人兵庫県健康財団 保健検診センター 副所長 大藪 久則



 わが国では国民の8割以上が生涯に腰痛を経験します。また業務上疾病のうち、約6割が災害性の腰痛であるといわれています。近年、技術革新により重筋作業は減少したものの、今後高齢化に伴う介護作業や高齢労働者に対する作業環境対策として、腰痛予防が重要になると考えられます。


 そこで、今回は企業として一般的に注意すべき点や、個人的に気をつけることによって、腰痛予防に役立つ点について述べてみます。



1 持ち上げ作業に関して注意すべき点
 前かがみ姿勢は腰に負担がかかります。特に腰から荷が遠ざかるほど、図1のようにテコの原理で力点(腰背筋および腰椎)にかかる力は強くなります。


 同じ20kgの荷を持つ場合でも前かがみで膝を伸ばしたまま持ち上げる(A)と、膝を曲げて腰を落として持ち上げる(B)とでは腰にかかる負担が3倍(300kgと100kg)も違うのです。したがって、


(1) 荷のサイズを小さくすること
(2) なるべく作業者の体に近いところで荷を持つことができるように工夫すること

が大切です。


 また、床の近くでの持ち上げ作業や肩より上での作業、荷物を持った状態で身体をねじる作業は極力避けましょう。




2 座位作業に関して注意すべき点
 立位に比して座位では椎間板の圧力が1.6倍になります。したがって、椎間板の圧力を軽減するために椅子には背もたれや肘掛け、ランバーサポート(図2)などをつけ、作業台の高さにも配慮しましょう。また、筋肉や椎間板への栄養や酸素を十分に補給するために頻繁に姿勢を変えられるような作業計画を立てることも重要です。




3 車両運転作業に関して注意すべき点
 運転作業に伴う腰痛予防対策では、座席の改善などが重要であることはいうまでもありませんが、運転作業後の荷物取り扱いに特に注意する必要があります。というのは、車両運転中は、拘束姿勢による末梢の血流障害、腰を支える筋肉の緊張の高まり、振動による内耳の平衡覚への影響等により、一時的な筋力調整不全等が生じることがあるからです。



4 日常生活に関して注意すべき点
 中腰や前かがみや手に物を持つ動作などは腰に負担がかかるので気をつける必要があります。手に物を持つ動作をするときは、腰を落として荷物をからだの近くで持ち上げるようにしましょう(図3)。


 さらに、直立不動の姿勢、ハイヒールを履く、高いところに物を持ちあげる、物干しなどで背伸びする等の姿勢は腰に負担がかかり、腰痛の原因となります。また、やわらかい布団やバネの弱いベットに寝ることやうつ伏せに寝て本を読むのも腰痛の原因となるので要注意です。


 以上一般的な腰痛予防について述べましたが、腰痛予防の基本は腹筋と腰背筋が衰えないように普段からトレーニングし、体調を整え肥満の予防をしておくことです。なお、疾病を伴う方の腰痛予防は、主治医にご相談ください。

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