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ダッシュダイエットで血圧を下げよう ~高血圧を予防する新しい食事法~

掲載月:2004/09

ひょうご経済戦略 2004年9月号


財団法人兵庫県健康財団 保健検診センター所長 伊藤 一夫

 

ダッシュダイエットとは?
 今、ダッシュダイエットが注目されています。といってもダッシュしてやせようということではありません。DASHとは、Dietary Approaches to Stop Hypertensionのことでして、高血圧にストップをかけるための食事の仕方です。ちなみに、ダイエット(diet)とは、食事・食物のことで、必ずしも節食を指すとは限りません。

 

ダッシュ食の効果
 ダッシュ食とは、肉類や甘い物を減らし、野菜や果物、低脂肪乳製品を多くとる食事のことです。 


 アメリカでの一連の研究で血圧を下げる効果があることが確かめられました。この研究では、軽症の高血圧の方を次の3つのグループに分けました。


(1) コントロールとして普通のアメリカ人の食事をしていただく方
(2) 野菜・果物を多く摂っていただく方
(3) ダッシュ食を摂っていただく方。


 そして、8週間観察しました。その結果、(2)と(3)のグループの方は血圧が低下しました。特にダッシュ食を摂っていただいた方は、コントロール群に比べて収縮期血圧で11.4㎜Hg、拡張期血圧 で5.5㎜Hgと良好な血圧低下効果が得られました。

 

 このダッシュ食では、塩分は特に制限していませんが、食塩摂取との関係では、塩分摂取の多い人ほどダッシュ食の効果が良く現れました。但し、この研究での食塩摂取の多い方とは、アメリカ人の現状摂取量の1日8.7gで、中の方が5.8g、少ない方は2.9gでした。日本人の12~13gと比べてずっと低い摂取量です。


 ダッシュ食の各食品の単位数は、穀物8・野菜4・果物5・低脂肪乳製品3・肉や魚2・豆類1・油脂2.5となっています。


 この研究グループは、ダッシュ食がアメリカで普及すると、心筋梗塞は15%。脳梗塞は30%減るだろうと言っています。

 

塩分と血圧
 ダッシュ食は、成分からみるとコレステロールが少なく、食物繊維やカリウム、マグネシウム、カルシウム、蛋白質が多い食事です。日本人の食パターンは、ダッシュ食に比較的よく似ていますが、果物、ナッツ、低脂肪乳製品が少なく、塩分が多くなっています。

 

 塩分を摂りすぎると血圧が上がるとよく言われますが、多数の集団で見ますと、確かにそうなのですが、個人個人をとってみますと、食塩を制限して血圧が下がる方とそうでない方がおられます。減塩で血圧が下がる方を食塩感受性のある方と言います。この食塩感受性のある方は、正常者の20%、高血圧の方の50%と言われています。食塩感受性があるかないかは、食塩制限をしてみないとわかりません。

 

 しかし、お薬を使わずに血圧が下がるのですから、高血圧の方にとっては試してみる値打ちはあると思います。そして、そこにダッシュダイエットを追加すれば、お薬を飲まずに高血圧がコントロールできるかもしれません。逆に食塩感受性のない方は、食塩制限では血圧が下がりませんし、場合によっては上がることもありますので、お薬が必要となります。


 
薬味を上手に使いましょう
 なお、辛いものと塩辛いものとは違うということは、ご存知とは思いますが、高血圧にとって問題なのは「塩」でして、天然塩だったら大丈夫という訳ではありません。その他の辛いもの、例えばわさび・からし等は問題ありませんのでどんどん使って、バラエティに富んだ楽しい食事を味わってください。

 

 例えばお刺身を食べるとすれば、わさびを醤油に溶かすのではなく、直接刺身に塗り、しそやネギ、レモン等はたっぷり使い、その代わり醤油は香りを楽しむ程度に少量にすると塩分を少なくできます。できれば、食卓のうえには塩、醤油、ソースは置きたくないものです。また、肥満も高血圧の原因となりますが、ダッシュ食ではカロリーもコントロールされています。

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