健康コラム

HOME > 健康情報 > 健康コラム > 健康コラム詳細

お知らせ詳細
コラム一覧へもどる

結核予防法が変わりました

掲載月:2004/11

ひょうご経済戦略 2004年11月号 


(財)兵庫県健康財団(結核予防会兵庫県支部)
保健検診センター所長 伊藤 一夫

 

結核予防法  約50年ぶり抜本改正
 平成16年6月15日、結核予防法の一部を改正する法律が成立し、平成17年4月1日から施行されます。結核予防法は昭和26年の大改正以後、当時「国民病」として恐れられていた結核の征圧に、有効に機能してきました。しかし、平成になってからは改善の停滞、平成8年以降の結核の「再興」と呼ばれるような、罹患率の上昇傾向が起こってきました。そこで、下記のように改正されました。

 

おもな改正点
(1) 従来一律的、集団的に対応してきた結核の健康診断の対象者・方法を見直し、入学時、就職時等節目の時期に当たる者、高齢者やホームレス等の発病しやすい者、及び教員や医療従事者等の二次感染を起こしやすい職業等を対象とした定期健康診断、及び結核を発病した方と接触のあった方への積極的な定期外健診の実施により、リスク評価等に基づくきめ細やかな措置を講ずる。


(2) これまで行われていた乳幼児に対するツベルクリン反応検査を廃止し、直接BCG接種を徹底することにより、乳幼児の重症結核を予防する。


(3) 抗結核薬を処方された結核患者の確実な服用を指導する。

 

 これを受けて、結核予防法施行令も改正されることとなり、8月9日、厚生労働省健康局結核感染症課では、改正案を発表し、広く国民からの意見を募集しました。(9月7日締め切り)

 

 改正前の結核予防法では、19歳以上の事業場の従事者、市町村の居住者等に対して毎年度の結核に対する定期健診が義務づけられてきましたが、これを次のように改正するとしています。


(1) 高校、大学等の学生については入学年度に一回
(2) 社会福祉施設等の入所者については、入所年度及び65歳以上毎年度。
(3) 事業場については、学校・病院・老健施設・社会福祉施設等の従事者についてのみ雇用年度及び毎年度。
(4) 市町村の住民については、65歳以上の者に対して毎年度、及び市町村が結核の発生等の状況を勘案して特に必要と認め る者に対して市町村が定める定期に。

 

 ただし、事業場の従事者については、結核予防法とは別に労働安全衛生規則で年一回胸部エックス線検査を受けることになっており、これは今のところ改正されません。


 一方、老人保健事業に基づく肺がん検診については、40歳以上の者を対象として結核予防法による胸部エックス線フィルムを用いて判定することとなっていますので、65歳未満の方の胸部エックス線検査をどうするかが議論となっています。

 

大転換した結核対策の取り組み方針
 まとめますと、結核罹患率が高かった時には、大きな効果を発揮した全員一律の結核の健康診断というやり方が効果を発揮しにくくなってきたのです。そこで、結核に感染、発病しやすい方(ハイリスクグループ)及び結核を発病すると他の人へ感染させやすい方(ディンジャーグループ)を中心として定期健診を行おうというわけです。

 

 そして、もし発病者が出れば、その方と接触のあった方に対しては、定期外健診を積極的にやろう、また発病した方に対しては、最低6~9ヵ月の内服治療が必要となりますが、途中でやめられると菌が耐性化したりして治療が不成功となり、まわりの人への感染源ともなりますので、服薬をきちっと指導していこうということです。


 集団健診としてのツ反はなくなり、BCGは原則として生後6ヶ月までの一回だけとなります。


 結核対策の大転換となります。

 

【追記】10月6日付け官報によりますと、概略上記のように政令が一部改正されました。

 

コラム一覧へこのページのTOPへ
※本コンテンツの無断転載を禁止します。