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科学的根拠に基づくがん予防

掲載月:2005/11

ひょうご経済戦略 2005年11月号


財団法人兵庫県健康財団 保健検診センター所長 伊藤 一夫

 

 国立がんセンターがん予防・検診研究センターは2005年6月1日付ホームページ「科学的根拠に基づくがん予防」の中で「現状のがん予防指針」(以下「指針」)を発表しました。

 

 <現状のがん予防指針>
・ たばこを吸う人は禁煙を。吸わない人も、他人のたばこの煙を可能な限り避ける。
・ 適度な飲酒。具体的には、日本酒換算で1日1合(ビールで大瓶1本)程度以内に。飲まない人は無理に飲まない。
・ 野菜・果物を少なくとも1日400グラム摂るようにする。例えば、野菜は毎食、果物は毎日。
・ 塩蔵食品・塩分の摂取は最小限に。具体的には、食塩は1日10グラム未満、塩からや練りうになどの高塩分食品は、週に1回以内にする。
・ 定期的な運動を継続させる。毎日合計60分程度の歩行などの適度な運動に加え、週に1回程度は汗をかくような激しい運動を心がける。
・ 成人期の体重を維持(太り過ぎない、痩せ過ぎない)。BMI数値は20~27を目安に。
・ 熱い飲食物は最小限に。例えば、熱い飲料は冷ましてから飲む。
・ 肝炎ウィルス感染の有無を知り、その治療(感染者)や予防(未感染者)の措置をとる。

 

 国立がんセンターは1978年に下記の「がんを予防するための12か条」(以下「12か条」)を発表しています。
(1) バランスのとれた栄養をとる
(2) 毎日、変化のある食生活を
(3) 食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに
(4) お酒はほどほどに
(5) たばこは吸わないように
(6) 食べ物から適量のビタミンと繊維質のものを多くとる
(7) 塩辛いものは少なめに、あまり熱いものは冷ましてから
(8) 焦げた部分はさける
(9) かびの生えたものに注意
(10) 日光にあたりすぎない
(11) 適度にスポーツをする
(12) 体を清潔に

 

 「指針」と「12か条」を比べると「指針」ではたばこが原因のトップとなっています。禁煙はがんになる確率を三分の二に減らすことができるのです。飲酒に関しては、「ほどほどに」から、具体的な飲酒量が示されました。食事も「バランスのとれた」や「変化のある」などの表現ではなく、野菜や果物の摂取の仕方、塩分の摂取量などが具体的に示され、塩分と熱い飲食物は別の項目に分けられました。

 

 運動の仕方も具体的になり、体重についてはBMI〔体重kg÷(身長mの2乗)〕の具体的な範囲が示されました。これまでBMIは22が一番長生きできるとされ、25以上が肥満とされてきましたが、最近の研究では日本人の男性では24が一番長生きとの報告もあり、BMIは27までと改められました。(参考:ブルーバックス「がんになる人ならない人」津金昌一郎著)
新たな項目として、日本人のがん死亡の一割を占める肝臓がんの主要原因である肝炎ウイルスに対する対策が加わりました。

 

 「12か条」の(8)(9)(10)(12)については、最近の研究では現在の日本人にとってそれ程大きなリスクファクターではないということから、項目からなくなりました。


 今、さまざまな健康情報があふれており、何が科学的に正しいのかをしっかり見極めていくことはとても大切です。

 

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