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骨粗鬆症検査

掲載月:2008/05

ひょうご経済戦略 2008年5月号

 

財団法人兵庫県健康財団 保健検診センター参事兼副所長 杉村千惠

 

 4月から医療保険制度が変わり、制度上では75歳以上の方は後期高齢者と呼ばれることになりました。平成19年11月1日現在の推計人口の発表では 総人口12779万人のうち、75歳以上人口は1276万人で、総人口に占める割合が初めて10.0%となりました。

 昭和25年に1.3%であった割合が、平成3年に5.0%となり、今回 平成19年度に10.0%に達したことになります。65歳以上の高齢者のうち就業している方(高齢就業者)は495万人で、就業率は19.4%になっています。これは欧米諸国よりかなり高く、韓国についで高率となっており、元気な高齢者が多い事の表れと思います。

 しかし一方で寝たきりなどの要介護者発生率は推計で 75-79歳で5.5%、80-84歳で10%、85歳以上で20.5%と80歳を境に急激に上昇し、介護を必要とする状態になる方が増えます。要介護となる原因は種々ですが、高齢による衰弱を除くと 脳血管障害(脳卒中など)が第一位で、第二位が骨折・転倒となっています。(総務省発表)


 骨折が原因で寝たきりとなる主な病気は、大腿骨頚部骨折と椎体骨折です。大腿骨頚部骨折は足の付け根で大腿骨が折れる病気で、年間14-15万人発生しているといわれています。椎体骨折は背骨の骨折で、背中が曲がったり、身長が急に低くなった方などで見つかります。これらの骨折を起こす大きな要因が骨粗鬆症なのです。骨粗鬆症は骨が折れる前には何も症状がなく、知らない間にどんどん進行していくのが特徴です。


 骨粗鬆症は「骨密度、骨質の両方が低下することにより骨強度が低下して、骨折が起こりやすくなる疾患」と定義されています。50歳以上の女性の有病率が24%と報告されており、患者数は男性で100万人、女性では800万人以上と推計されており、女性にとってはとても身近な病気です。


 骨密度は男女ともに思春期後期から20歳代で最大となり、それ以後は徐々に減少していきますが、女性では閉経後に急激に低下します。これはエストロゲンという女性ホルモンが骨密度の減少を抑える働きをしていますが、閉経によりこのホルモンが少なくなることで、骨密度の減少がすすんでしまうからです。そのために男性に比べて、女性で骨粗鬆症の方が多くなっています。


 骨粗鬆症を簡単にスクリーニングとして見つけるには 骨密度検査が有用です。検査には踵の骨を超音波検査で測定する方法、手の骨をX線撮影して測定する方法、腰椎(腰の骨)をX線撮影して測定する方法などがあります。骨粗鬆症検診としては市町村が主体となって実施されていますが、平成18年度で全国で29万5千人の方しか受診していません。
症状が出ない段階で、骨折をしないうちに骨粗鬆症を見つけるためには、たくさんの方が検診を受けられることが重要です。

 
 女性では、まず閉経前の若い時に一度は検診を受け、自分の骨密度を確認し、低目であればその原因を考え、食事や運動などの生活習慣を見直されることをお勧めします。特に 両側の卵巣摘出を受けた方や早期閉経の方、家族暦のある方は若いかたでも検査を受けることが望まれます。その他 無理なダイエットや低身長、低体重なども骨密度減少のリスクとなります。思い当たる方は積極的に検診を受けましょう。


 また、骨粗鬆症になりやすい要因としては 胃の摘出手術後、ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)治療、アルコール多飲、喫煙などがあります。これらのリスクに思い当たる方は男性でも一度は骨密度検査を受けられることをお勧めします。


 骨密度は今話題の年金に似ています。高齢になった時に急に増やせるものではありません。将来のために若い時から年金を貯めるのと同じように、骨成分をためていきましょう。骨成分は年金と違って消えたり、宙に浮いたりはしません。ご本人の努力は必ず丈夫な骨として、貴重な一生の財産となります。

 

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