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マスクと咳エチケット

掲載月:2009/03

ひょうご経済戦略2009年3月号掲載

 

(財)兵庫県健康財団 
保健検診センター所長 伊藤一夫

 

 最近マスクがよく売れているようです。2008年9~12月の売り上げが、前年同月比63%増と報道されています。おしゃれにデコれる「デコりマスク」や和風のマスクもよく売れているそうです。


 ところでみなさん、マスクは何のために使いますか? 花粉症の予防のためという方もおられるでしょう。就寝中の、のどの乾燥を防ぐためのマスクも発売されています。風邪によるのどの症状を和らげたり、インフルエンザや風邪の予防のためという方もおられるかと思います。特に最近では、新型インフルエンザ対策として、マスクの備蓄が呼び掛けられています。このインフルエンザ予防のためのマスクは、誰が使うと効果的なのでしょうか。


 インフルエンザウイルスは咳やくしゃみとともに、5μm程度の飛沫となって空中にまき散らされます。この飛沫は1m程度飛んで落下します。その間、乾燥するとさらに小さな飛沫核となって空中を漂います。従来のマスクの目は5μm程度でしたが、最近では、この飛沫核も99%以上カットできるというマスクも発売されています。しかし、マスクが必ずしも顔面に密着するわけではないので、現実のカット率はそれほど高いものではないと思われます。厚生労働省も「マスクを着用しているからといって、ウイルスの吸入を完全に予防できるわけではない」と言っています。


 そこで、国立感染症研究所名誉所員の井上栄先生は、次のような提案をされています。
『マスクを咳患者が使う方が効率が良い。70円の16層マスクと、20円の不織布マスク(3層)、5円の紙マスク(2層)を使って実験した結果、飛沫の飛散量低下効果に大差がない。新型インフルエンザ発生時には、政府が無料マスクを全員に配る。タミフル備蓄費用(1,000万人分で200億円)に比べて、わずかに6億円で済む。咳が止まるまで同じマスクを使ってもかまわない。たくさんの患者が発生したら隔離スペースが不足する。マスクをしてもらうことは隔離と同じ効果を持ち、かつ、実行可能な方策である』。(中公新書「感染症 広がり方と防ぎ方」)


 厚生労働省は、インフルエンザの総合対策として「あ、その咳、そのくしゃみ~咳エチケットしてますか?~」という標語を掲げています。


 咳エチケットとは以下の3点です。
●咳やくしゃみをする時は、マスクをするか、マスクを持っていない時は、ティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。
●鼻汁や痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱(できればふた付き)に捨てましょう。
● 咳やくしゃみの恐れがある場合は、マスクを付けて外出しましょう。


 咳エチケット用のマスクとしては市販されている不織布製マスクの使用を推奨しています。N95マスク等のより密閉性の高いマスクは適していないとされています。


 インフルエンザウイルスの感染経路としては、環境中に飛び散っている飛沫からの感染もあるので、こまめな手洗いも大切です。

 

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