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何でタバコをすうのん?-タバコのおいしいすい方-

掲載月:2009/08

ひょうご経済戦略2009年8月号掲載

 

財団法人兵庫県健康財団 保健検診センター
所長 伊藤一夫

 

 今、スモーカーにとっては、生きづらい世の中になっています。タバコをすえる場所はどんどん減り、また「タバコを吸うことは犯罪」と言わんばかりの乱暴な議論もみられます。それに対して「禁煙ファシズム」という言葉もよく目にするようになりました。


 ところで、「何でタバコをすうのん?」とスモーカーにお聞きしますと、「おいしいから」「リラックスするから」「間がもたないから」等々、いろんな答えがかえってきます。爆笑問題の太田光さんは「タバコの煙が好きなんです。」とおっしゃっています。(「禁煙バトルロワイヤル」集英社新書)しかし、タバコを吸い続ける本当の理由は何でしょうか。


 私は、多い時には1日60本程度のタバコを吸っていて、25年程前に禁煙したのですが、他人からは「とてもうまそうにすっている」と言われていました。自分でもタバコはうまいと思っていました。しかし、かぜをひいた時には、のどがいがらっぽくなって、タバコをすうとまずいんです。しかし、そんな時でもタバコはすっていました。その時、心理的には、ひょっとかして、このタバコでかぜが治るんちゃうやろかというような妄想がわいていたり、また、このタバコのまずさの程度で、のどのやられ具合がわかるんやと思ってみたり、本数は減りますが、何かと理屈をこねて、やっぱりすっていました。


 これは何故でしょうか。みなさんおわかりのように「依存」なんですね。ニコチン依存のために、血中のニコチン濃度が低下してくると、タバコをすわざるを得なくなるんです。だから、血中のニコチン濃度が一番低下する、朝起きぬけのタバコが一番うまいんです。そして、朝起きてから何分以内にタバコをすうかが、ニコチン依存の程度を評価する重要な指標になっています。


 また、タバコをすうとリラックスするというのは、血中のニコチン濃度が低下して、イライラするのを補ってくるということだとして、禁煙をすすめる方は、このリラックスを、まやかしのリラックスだとしています。しかし太田光さんは「腹が減った方がめしはうまい。」「のどが渇いた時のビールがうまい。」と言われています。たしかに、ビールの好きな方は、私も含めて、午後からは水分をとらないという方も多くおられます。


 今私は、禁煙指導で、おいしいタバコのすい方をおすすめしています。おいしいタバコのすい方は、前にすったタバコからなるだけ時間をあけてすうことです。チェーンスモーキングではタバコの味はまずくなります。特に長く時間をあけてすうタバコは格別です。クラーッときます。トリップできます。ただし、立ってすうと倒れることもありますので、すわってすうことをおすすめします。そして、このあける時間がもっと長くなると禁煙です。


 実際に私のやりました禁煙法は、すう本数を制限したり、すう場所を制限したり、いろいろやっておりました。そしてある土曜日、あいにく朝からタバコをきらしており、またその日は忙しくて、気がついたらお昼までタバコをすっていませんでした。後は「もったいない作戦」です。こんだけの時間がまんしたんやから、ここですったらもったいない。それで今日まできています。次のおいしいタバコは多分ないと思っています。

 

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