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呼吸について

掲載月:2011/01

<呼吸について>

(財)兵庫県健康財団 健康指導部 健康運動指導専門員 山口一仁


 本格的な冬を迎え、私たちは気温の低下とともに、背中を丸くして体温を逃がさないようにして、吐く息の白さから寒さを実感しています。


今回は、私たちが無意識のうちに行っている呼吸について考えてみたいと思います。


 私たち生物が生存していくうえで、呼吸(酸素の供給と二酸化炭素の排出)は不可欠です。
呼吸には内呼吸と外呼吸という2つの種類があります。


 内呼吸(組織呼吸)は細胞内に取り込まれた酸素と栄養素が化学変化を起こしエネルギーを放出します。この時に二酸化炭素が発生し酸素と交換されます。この細胞内の二酸化炭素と酸素の出入りを内呼吸といいます。
 

 外呼吸(肺呼吸)は、内呼吸時の細胞内で発生した二酸化炭素と酸素の交換を、血液を介して肺で行うことをいいます。


 この呼吸を行うには筋肉の伸縮が必要で、主に横隔膜(おうかくまく)、やその周辺のいろいろな筋肉(呼吸筋群)が関与しています(下図参照)。普段の呼吸は主に横隔膜の収縮による吸気(吸う息)が行われ、呼気(吐く息)は肺が膨らみ元に戻ろうとする力によって行われています。


 

 

呼吸について2.JPG 

 

 大きく息を吸ったり吐いたりする努力呼吸の吸気時には胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)、斜角筋(しゃかくきん)が、呼気時には内肋間筋(ないろっかんきん)や腹直筋(ふくちょくきん)、外腹斜筋(がいふくしゃきん)、腹横筋(ふくおうきん)などの筋肉が補助的に使われます。

 

 これらの筋肉は、筋肉本来の短縮しやすい(縮こまりやすい)性質から、動かさなければ短縮し、背中が丸くなり、ますます好ましくない姿勢へと変化してしまいます。また、呼吸も浅くなり、様々な疾病の要因にもなります。


 それらを改善するためには、呼吸筋群や肋骨と胸骨、背骨をつなぐ関節のストレッチが必要で、その方法のひとつに深呼吸があります。


 深呼吸とは文字のとおり、深い呼気と吸気を行う呼吸方法で、意識的に大量の酸素を取り込んで肺(肺胞:はいほう)を大きく膨らまし、勢いよく息を吐き出すことで、呼吸に関係する筋肉や関節を大きく伸縮(ストレッチ)して、丸くなった背中を無理なく伸ばし姿勢を正しくします。


 深呼吸の効果には、呼吸筋群のストレッチ効果以外にもリラクセーション効果やそのほかにもたくさんの良い作用や効果があります。
 

 例えば、仕事や家事などで疲れたときに行う深呼吸は、からだがほぐれ、気分がすっきりしてリラックスします。

 

 これは、深呼吸をすることにより交感神経の働きが抑えられ、副交感神経の働きが優位になり、活動的な状態からリラックスした状態へスムーズに移行することができたためです。

 

   交感神経も副交感神経も自律神経と呼ばれ、それぞれが互いにバランスを保ち健康に大きな影響

   を与えています。
   交感神経は、からだが活動しているときに働く神経で、交感神経が働くと瞳孔が拡大し、心拍が

   速くなり、血圧が上昇して、からだは活発な状態になります。
   副交感神経は、からだの緊張を解き休息するときに働く神経で、副交感神経が働くと瞳孔は収縮し、

   心拍はゆっくりして血圧は下降し、からだはリラックスした状態になります。


 ほかにも、深呼吸で副交感神経の働きが交感神経よりも優位になると、血圧が低くなり、抹消の血管が拡がって血流が良くなり皮膚の温度が上昇して冷え性の改善にも役立ちます。

 

 また、深呼吸をすることにより、高血圧を改善し、生活習慣病の予防にもつながるそうです。

 

 これは、呼吸をしたときに肺からでる物質の作用で、この物質によって血管を拡張して血圧を下げたり、血管を収縮させるホルモンの分泌を抑制したり、動脈硬化を予防することができるようです。また、深呼吸時には別の物質も出て、高い血圧降下作用を発揮するそうです。

 

 いずれにしても、これらの物質の作用を十分発揮するには、肺全体を有効に使ってできる限り体内に多く酸素を取り込み、少しでも多くこれらの物質が分泌されるようにする事が大切です。


 しかし、私たちはデスクワークや間違った姿勢によって、肺の機能の70~80%程度しか使っていないそうです。これは背中の丸い姿勢を続けるため、肺の上部が圧迫されている事が原因とされています。

 

 これらのためにも、深呼吸を行ってください。深呼吸は時も場所も選ばず、費用もかからない健康づくりの一つですので、気のついたときに意識的に行ってください。

 

  

 次回は、呼吸の方法を紹介します。

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