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呼吸の方法について

掲載月:2011/03

<呼吸の方法について>

健康づくり運動
(財)兵庫県健康財団 健康指導部 健康運動指導専門員 山口一仁

 私たちは、日常生活において肺やその周辺の筋肉(呼吸筋肉群)、関節の動きを特に意識的することなく呼吸を行っています。


 そのため、筋肉の特性により肺周辺の筋肉、関節が短縮(縮こまる)して姿勢は偏ってしまいます。また、その偏った姿勢の影響によって、肺はその機能の70%から80%程度しか使われない浅い呼吸となり、さまざまな疾病や身体的な症状野の要因をつくっています。


 特にイライラしているときや焦っているとき、怒っているときなどは呼吸が浅くなっています。

 

 浅い呼吸は血中の酸素が不足しているため、最も多量の酸素を必要とする脳の機能に影響を及ぼします。

 

浅い呼吸が要因となる疾病や身体的な症状
・ストレス ・自律神経失調症 ・肩、首など呼吸に関係する筋肉の凝り ・呼吸器疾患
・姿勢のゆがみ ・内臓疾患 ・便秘など

 

 しかし、ゆっくりとした深い呼吸を行うことによって、肺全体を大きく動かして多量の酸素を取り込み、脳を活性化してリラックス時に働く副交感神経を優位に導いてくれます。


 また、呼吸筋群や肋骨と胸骨、背骨をつなぐ関節のストレッチを自然に行うことができ、無理なく姿勢を正してホルモンの分泌、免疫の働きを正常にして生活習慣病の予防、改善などの効果を得ることもできます。

 

 交感神経も副交感神経も自律神経と呼ばれ、それぞれが互いにバランスを保ち健康に大な影響を与えています。


 交感神経は、からだが活動しているときに働く神経で、交感神経が働くと瞳孔が拡大し、心拍が速くなり、血圧が上昇して、からだは活発な状態になります。


 副交感神経は、からだの緊張を解き休息するときに働く神経で、副交感神経が働くと瞳孔は収縮し、心拍はゆっくりして血圧は下降し、からだはリラックスした状態になります。

 
 さて、呼吸には、腹式呼吸と呼ばれる方法と、胸式呼吸と呼ばれる方法があります。


 腹式呼吸は、横隔膜を大きく上下へ動かし、肺の中心部から下の方まで大きく広げる方法です。この方法は内臓の働きや血流も増加し自律神経のバランスを整える効果があるといわれています。


 それは、腹式呼吸によって緊張をもたらす交感神経の働きを抑制し、交感神経を働かせてリラクセーション効果を高めるからです。


胸式呼吸は胸郭(キョウカク:胸椎と肋骨、胸骨でつくられる籠状の部位)を上下へ動かし、肺の中心から上の方まで大きく広げる方法です。この方法は肋間筋(肋骨周辺の筋肉)や首周辺の筋肉を使って呼吸します。そのため、肩や首に力が入りやすくなりますのでリラックスして行うことが大切です。


それでは、比較的簡単な腹式呼吸から行ってみましょう。腹式呼吸も胸式呼吸も、息を吐くことから始めます。


① 全身の力を抜いて仰向けに寝転びます。
  (両膝立てて、下腹の上に両手を置いて、お腹の動きを確認しながら行ってもよい。)


② ゆっくり、からだ中の空気を体外へ出し切るつもりで口から息を吐き出します。
(このとき、お腹がへこむように注意します。)


③ 舌を上あごに付けるようにして、鼻から息を吸い込みます。


(このとき、お腹が膨らむように注意します。)


④ 再度、口から息を吐き出しますが、③の息を吸い込んだときの時間よりも長く時間をかけて吐き出します。
(自分のできる範囲内で、無理がないように。)


⑤ ②~④を繰り返します。


 仰向けの姿勢の腹式呼吸に慣れてくれば、椅子に腰掛けた姿勢や立った姿勢でも行ってみましょう。椅子に腰掛けて行う場合は、深く腰を掛け背筋を伸ばして、軽く背もたれにもたれかかるようにすると楽に行うことができます。このときも、お腹に両手を置いて行えば下腹の動きが確認しやすくなります。


 また、立った姿勢で行う場合は、軽く膝を曲げ背筋を伸ばして行うと楽に行うことが出来ます。両手もお腹に置いて動きを確認しましょう。


 次は胸式呼吸です。


① 背筋を伸ばして、楽な姿勢で立ちます。


② 少しずつ、両肩をすぼめて口から息を吐ききります。


③ 両肩を少しずつ後ろへ開き胸を張りながら、鼻から息を吸い込みます。
(このとき、両腕を少しずつ広げながら行ってもよい。)


④ 口をすぼめて、両肩をすぼめながら細く長く息を吐き出します。吐き出す時間は、腹式呼吸のときと同じように、吸い込んだときの時間よりも長く時間をかけて吐き出します。


⑤ ①~④を繰り返します。


呼吸は私たちが生存していくうえで不可欠なものです。できればどちらの呼吸法も習慣にしたいものです。
大切な事は、ご自分が気持ちがよいと感じたり、リラックスできたと思えるように呼吸することです。
気持ちの良さやリラックス感を得ようと、いきなり多回数、長時間の実施は到底無理なことです。まずは、1日4、5回程度から始めてください。慣れるに従い回数や、時間を調節しながら、定期的に回数や時間を決めて行うようにしてください。これから暖かい季節を迎えます。天気の良い日などは戸外に出て腹式呼吸や胸式呼吸行ってみてください。続けることによって、いろいろな効果を得られることと思います。

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