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受けていますか?-がんで死なないために  

掲載月:2011/08

ひょうご経済戦略 8月号掲載

兵庫県健康財団保健検診センター 参事兼副所長 熊谷仁人

 

1 はじめに

   平成21年の死亡者数は約114万2千人、この内がんで亡くなった人は約30.1%、心疾患15.8%、脳血管疾患10.7%、

  あわせて56.6%をいわゆる三大疾病が占めています。

   がんの部位別の死亡の順(H20)は男性で大腸、膵、女性では大腸、膵、乳房子宮です。

 (下線は一般に行われているがん検診項目で、男性61.7%、女性61.4%をカバーしています)(2010/2011年 「国民衛生

  の動向)。

   今回はがんで死なないためにはどうしたらよいかを考えてみました。

 

2 がんで死なないために

 1)まずはかからないことです。がんの予防について「がんを防ぐための12カ条」(がん研究振興財団)なでに書かれていま

  すが、特に喫煙との関係が言われているがんでは禁煙(間接喫煙も含め)が大切です。喫煙者の肺がんが発生する可

  能性は非喫煙者の3-8倍程度といわれています。

 2)次に大事なことは早期がんでの発見です。治ったと考えてよい「5年生存率」は乳がんでは、腫瘤が2㎝以下でリンパ節

  転移がなければ(ステージⅠ)98.2%ですが、腫瘤が5㎝を超えるとリンパ節転移がなくても(ステージⅢ)67.8%と減少し

  てきます。遠隔転移があると(ステージⅣ)さらに悪くなります(全国がん(成人病)センター協議会)。小さいうちに、あるい

  は症状のないうちにみつかるかどうかが重要で、ここに検診の必要性があり、乳がんの場合は自己検診も重要になってき

  ます。

 3)そして検診で異常が指摘されたら早いうちに専門医療期間を受診することです。手術が必要な場合でも小さな手術(縮小

  手術)が可能なケースが多くあります。たとえば乳癌における乳房温存手術、その他内視鏡を使った手術、胸腔鏡、腹腔

  鏡を使った手術などがあります。これによって術後の生活の質(QOL)はかなり変わります。

 

3 検診、ドックの利用について

   自覚症状がある場合は速やかに医療機関を受診すること(症状がある場合、検診項目より多くの検査が必要なことが多

  い)、自覚症状がない場合は検診を受けることが必要です。最近ではドックに胸部CTのようなメニューもあり、肺がんの早

  期発見も増えてきています。

   しかし現状での受診率は低く、肺がん(男性)25.7%、胃がん(男性)32.5%、乳がん20.3%です(厚生労働省国民生活

  基礎調査H19)。受けない理由として「特に症状がないから」「忙しいから」などがあげられていますが、忙しくてもがんは待

  ってくれませんし、症状がないときに見つければ上記のように治る可能性が高く、手術も小さくて済むため、早い時期に職

  場復帰が可能です。

   もちろん検診には放射線の被曝の問題、マンモグラフィで痛かったり、また要精密検査といわれたけれど何もなかった

  といったようなディメリットもあります。しかし、それらを納得した上でのがん検診は現時点でのがんで死なないための最も

  有効な手段なのです。

 

4 おわりに

   死ぬまで楽しく生きることはわれわれの望みですが、特にがんで死なないためには禁煙などの予防のほかに、たとえ

  がんにかかっても、早く見つけて治療することが大事です。

   そのためには検診を受けることが重要です。今まであまり検診を受けていない方はぜひ定期的に受けてください。

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