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職場における喫煙対策について

掲載月:2012/02

ひょうご経済戦略2月号掲載

職場における喫煙対策について
   兵庫県健康財団保健健診センター参事兼副所長 熊谷仁人

 

1.はじめに
 仕事柄、禁煙について関心をもっていましたが、ある事業所の定期健康診断の時にこんな相談をうけました。事務職の女性の方です。「事務所の中にたばこの煙が充満していて、肺がんが心配だが、やはりがん検診は受けた方がよいでしょうか」。近年喫煙人口が減りつつあると言われ、レストランでも全面禁煙が増えている一方で、まだまだこういった訴えも後を絶たないのが現状のようです。

 

2.職場における喫煙対策について
 受動喫煙による健康への悪影響に対して、より適切な受動喫煙対策が必要とされ、「職場における喫煙対策のためのガイドライン」が策定されました。
 この中では「空間分煙」を中心に対策を講じる場合を想定していて、施設・設備について以下の要点を示しています。

 

1)経営首脳者、管理者、労働者の役割
 喫煙対策を進めるためには経営首脳者、管理者が関心を持ってそれぞれの役割を果たすとともに、労働者の積極的な参加が必要です。

2)喫煙対策の推進計画
 職場における現状を把握し、当面の計画、中長期的な計画が必要です。その際に組織内で権限を持つ経営首脳者の指導、取り組みが不可欠です。

3)喫煙対策の推進体制
 喫煙対策を効果的に進めるためには、喫煙問題を喫煙者と非喫煙者の個人間の問題ではなく、労働衛生管理の一環ととらえることが重要で、喫煙対策委員会、喫煙対策の担当部課等が必要です。

4)施設・設備について
 有効な空間分煙のために、たばこの煙やにおいの漏れを防止する換気扇等を整備した喫煙室等が必要です。会議室、食堂、休憩室、廊下、エレベーターホール等についても規定があります。

5)その他の場所
 問題は喫煙できることをサービスとしている飲食店、ホテル・旅館等ですが、やはりそこで働いている労働者の受動喫煙防止という観点から同様に全面禁煙や空間分煙の措置を取ることが事業者の義務として適当と位置づけられています。営業上の支障などの理由で、当分の間は可能な限り受動喫煙の機会を低減させるようにとなっています。

 

3.今後の動向
 今後職場における受動喫煙防止対策の抜本的強化が必要とされ、労働安全衛生法関係法令改正を含めた所要の検討が行われています。また兵庫県でも条例化が検討中で、非喫煙者を中心とした環境づくりが徐々に進みつつあります。

 

4.おわりに
 非喫煙者にとってたばこの煙やにおいは避けたくても避けられないものです。ましてそこで働いている従業員には職をかわる以外にどうしようもない場合があります。法による規制が良いのか、いろいろ議論はありますが、喫煙以外のことも含めて、改めて隣の人のことも考えなければならない時期ではないでしょうか。

 

(参考文献)
「職場における喫煙対策―新ガイドラインと解説―」中央労働災害防止協会
「労働衛生のしおり 平成23年度」中央労働災害防止協会

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