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乳がん検診の重要性について

掲載月:2013/08
JUMP 8月号掲載 
保健検診センター所長 熊谷仁人
 
 
1.はじめに
  最近、「がん検診を受けるな・・・」という本をしばしば見かけます。その詳細について紙面の都合で触れませんが、がん検診の目的はがんによる死亡を減らすことです。そのためには科学的根拠に基づいた有効な検診を、正しく行うことが必要で、進行したがんではなくて早期がんの発見(さらに早期治療)が重要です。
  今回は乳がん検診の例をあげます。乳がん検診は2年に一度マンモグラフィ+視触診が行われていて、その間は自己触診を勧めています(人間ドックなどで、乳腺エコーも行われていますが、まだ「有効ながん検診」としては認められていません)。
 
2.発見時の状況
  日本乳癌学会「全国乳がん患者登録調査報告―2010年次症例」から見てみます。
 
1)発見状況
  2010年発症の女性乳がん47,899例のうち自覚症状でみつかった人は自己発見、検診(自覚症状あり)あわせて62.5%でした。乳がんは自分でわかる唯一といってもよい腫瘍で、自己検診の習慣をつけて、症状を自覚することは重要です。それに対して検診(自覚症状なし)は27.5%でしたが、2004年次の14.7%より増加しています。
 
2)発見状況と腫瘤の大きさ(図)
  早期がんの可能性の高い、腫瘤が2cm以下で発見される割合は、自己発見44.6%、検診(自覚症状あり)54.6%に対して検診(自覚症状なし)69.9%でした。図のように自己発見の人のピークは2.1―5.0cm(42.6%)であり、それに対して検診(自覚症状なし)では2.0cm以下が多くを占めています(早期乳がんは腫瘤2cm以下、リンパ節転移(-))。
以上のように早期がんの発見には2.0cm以下で発見することが重要で、そのためには自覚症状よりも検診(症状なし)での発見が増えることが望まれます。
 
3.がん検診を受けない理由
  内閣府「がん対策に関する世論調査」2009によると、がん検診を受けない理由として
心配なときはいつでも医療機関を受診できるから(18.6%)、健康状態に自信があり、必要性を感じないから(17.6%)、面倒だから(16.5%)、時間がなかったから(16.5%)
検査に伴う苦痛などに不安があるから(6.6%)、結果が不安なため、受けたくないから(4.8%)などとなっています。
  検診やその結果で要精密検査といわれたときの不安、追加検査の負担など検診のディメリットはあるものの、上記のように症状のないときに発見されると早期がんの可能性が高いこと、進行がんでは治療に要する費用や時間がかかることを考えると、発見されたときに「検診を受けておいたら良かった・・・」と思っても元にはもどれません。
 
4.おわりに
  以上述べましたように、早期がんを発見するためには、自覚症状のないとき、すなわち検診を受けることが一番有効です。
  最近の言い回しではないですが、
 「(がん検診に)いつ行くの?」「今でしょ!」、さらに「症状のないときでしょ!」
 
 
図 発見状況件数と腫瘤の大きさ(cm)
  (日本乳癌学会「全国乳がん患者登録調査報告―2010年次症例」から作成)
乳がん(グラフ).bmp

参考文献
(1) 日本乳癌学会「全国乳がん患者登録調査報告―2010年次症例」
(2) 内閣府「がん対策に関する世論調査」2009
 
 
 
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