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心疾患、脳卒中の危険因子―特に飲酒について

掲載月:2014/02
JUMP 2月号掲載 
保健検診センター所長 熊谷仁人
 
 
1. はじめに
 
  栄養の摂りすぎや運動不足などの生活習慣から、内臓脂肪を蓄積することで動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの発症リスクがたかまるというのがメタボリックシンドロームの概念です。最近の疫学的な研究でも、肥満や喫煙などが生活習慣病の危険因子であることが確認されました。今回はそれについて述べます。その中でも飲酒は量によって良悪どちらの評価も受けていますので、参考にしていただけたらと思います。
 
 
2. 心疾患、脳卒中の危険因子
 
1)循環器疾患の危険因子(参考1)
  高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙、飲酒があげられます。それぞれの詳細は割愛しますが、危険因子が重積すると心筋梗塞、脳卒中死亡危険度が高くなる(肥満、高血糖、高コレステロール、高血圧などのリスクが3,4個重積すると、リスクのない人に比べて心筋梗塞は8倍、脳卒中は5倍高くなる)ことが指摘されています。また飲酒量が多い場合、高血圧などにも関与し、危険因子として働き、反対に少量では良いほうに働くという結果が出ています。ただし病気を押さえ込むほどの役割はないと考えられています。
 
2)脳卒中の危険因子(参考2)
  脳卒中の危険因子は高血圧、糖尿病、脂質異常、喫煙、飲酒と循環器疾患と同じですが、さらに心房細動が加わります。
  アルコール摂取量が日本酒に換算して1日平均3合以上の人は、時々飲む人に比べて1.6倍脳卒中になりやすいことがわかりました。そのうち、出血性脳卒中では1日平均1合未満から、飲酒量が増えるに従い段階的に発症率が上昇します。一方脳梗塞は1日1合未満の人では時々飲む人の約4割少ないことがわかりました。
 
 
3. アルコール(酒)との付き合い方について

  以上のように循環器疾患、脳卒中に対して、飲酒が必ずしも悪く働くのではないということがわかってきました。一日の飲酒量が少量(1日1合未満)の場合はむしろ良いほうに働きます。少量飲酒というのはアルコール量で1日20g以下、酒の種類では日本酒1合、ビール中ビン1本、ワイン2杯、焼酎半合弱、ウイスキー、ブランデーならダブルで1杯に相当します。
  今回ご紹介した研究では、1週間の飲酒日数は取り上げられていませんが、アルコール健康医学協会では週休2日(2、3日飲んで1日休み)を推奨しています。
  以上から、飲酒は1日1合未満、週休2日というのが適度と考えられます(ただし、全く飲まない人、時々飲む人に、1日1合程度飲みなさいとすすめるものではありませんので念のため)。
  一生のうち飲む量が決まっているというようなことも昔から言われています。病気でからだが酒を受け付けなくなったり、医師から止められたりする可能性もあります。今後ますます長寿の人が増えますが、そのときも楽しく飲めるように、飲酒量の多い方はセーブして老後に飲む分を残しておくというのはどうでしょうか。
 
 
(参考)
 
1. NIPPON DATA80・90から
2. JPHC研究から
 
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