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健診で血中脂質が高いといわれた人の食事について

掲載月:2015/02
JUMP 2月号掲載  
保健検診センター 所長 熊谷仁人
 
 
1. はじめに
 
  いわゆるメタボ健診が始まって、数年たちました。「どうせ毎年同じ結果」なので今年の結果はみないという人が多いのではないかといささか心配です。
  健診は自分の健康状態をチェックする年に一度の機会であると考えて頂けたら良いのです。でも本当は結果を見た後の対応が大事です。精密検査の必要な人は受診、日頃の生活を見直した方が良い人は保健指導などを利用することが大切です。明らかな高血圧や糖尿病を放置したまま毎年健診を受けている人も時々見られますが、この件は別の機会に譲るとして、今回はコレステロール値が高めの人の食事について書いてみました。
 
 
2. LDLコレステロールの高い人
 
   いわゆる悪玉コレステロールです。高値のまま放置すると動脈硬化が進み、いずれ心筋梗や脳梗塞の原因になります。高い理由と対策は
 
  (1)コレステロールの過剰摂取
      コレステロールを多く含む食品(卵類、いか・たこ類など)の摂りすぎが問題です。
       これに対して大豆などは消化管での吸収を妨げるため、積極的に摂りましょう。
 
  (2)脂質の血中停滞
      飽和脂肪酸(乳類、肉類、動物性脂肪に多い)は血中でのLDLの停滞を招き、高値の原因になります。一方不飽和脂
     肪酸(植物油、大豆製品、魚類に多い)は組織への取り込みを促進して血中LDLを下げます。
 
  (3)コレステロール排泄能の低下
      排泄を促進するため植物繊維(野菜、豆類、海藻類、果実類)が重要です。

 
3. 中性脂肪の高い人
 
  (1)脂肪過剰摂取
      高脂肪含有食品(油脂類、種実類、生クリームなど)の摂りすぎです。
 
  (2)肝臓での脂質合成
      アルコールや糖質の過剰な摂取は肝臓での中性脂肪合成を促進させます。一方、背の青い魚はこれを抑制します。

 
4. その他
  ビタミン、ポリフェノール等には動脈硬化の進展を防止する抗酸化作用があるといわれているため、十分な野菜、適度な実類、茶類の摂取も有効です。

 
5. 終わりに
 
 以上をまとめますと
 
 (1)脂肪を多く含む食物(肉類、卵類、乳製品)を控えめに、また糖質、アルコールの摂りすぎに注意が必要です。
 
 (2)血中脂質を下げるもの(野菜、海藻類、豆類、植物油、背の青い魚)、抗酸化作用のあるもの(野菜、果実類、茶類)を摂
     取することが有効です。
 
  多くの人は食事を1日三回、ほぼ一生にわたってとります。好きな物ばかりでなく、日頃からバランスを考えた食事に気をつけることで血中脂質の上昇を防ぎ、動脈硬化を予防できるのならこれにまさるものはありません。慢性的に増えた血中脂質を減らすのには服薬も含めて、かなりのエネルギーが必要です。それよりも少し意識を変えて予防する方がきっと楽だと思います。
  今年は、健診結果をじっくりみて、食事について考えてみてはいかがでしょうか。


(参考文献)
1.丸山千寿子「食事療法のエビデンスと実際」:日医雑誌2011;140:1222-1223.
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