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アルコール(飲酒)について

掲載月:2018/02

 JUMP 8月号掲載

健検診センター所長 熊谷 仁人



1. はじめに


 冬到来。寒さなんて吹き飛ばせ!ということで宴会の季節がやってきました。宴会には欠かせない酒、「酒は百薬の長」「酒が取り持つ縁」など飲酒を肯定的に捉えた用語は多数あります。その一方で飲酒の、特に健康に与える影響についても指摘されています。健診でも、問診で「毎日、23合以上」飲んでいる欄に丸をつけ、血液検査でγ-GTPが基準値を大きく外れる人が結構います。

 アルコールの健康障害は急性症状(急性アルコール中毒)と慢性症状に分けられますが、問題になるのは後者です。今回はアルコールについてふれます。


 

2. アルコールの健康被害について


 アルコールの健康被害の特徴として、①種々の臓器障害があること ②生活習慣との密接な関係があることなどがあげられます。臓器の直接的な障害のほか、つまみなどの食べ過ぎによる肥満もメタボとの関連で重要です。また飲酒運転、暴力など種々の社会問題の原因であることは周知の通りです。

2010年、世界保健機構(WHO)は「アルコールが健康障害の主要なリスクの要因のひとつであり、若年死、身体障害を引き起こすリスクである」と指摘しました。その主なものは精神疾患、心血管疾患、肝硬変、感染症(HIV/AIDS)、結核、偶発的で意図的な障害(交通事故、暴力、自殺など)でした。

また国際がん研究機関(IARC)は2012年にエタノール、その体内での代謝物であるアセトアルデヒド、さらにアルコール飲料を発がん性分類のGroup1(ヒトに対する発がん性が認められる)に分類しました。

国内の研究でも、飲酒量の増加によるリスクの増大が指摘されています(適量飲酒ではリスクが最小のものもあります)。


 

3. アルコールとの付き合い方


 健康被害も、アルコールと適切に付き合うことでそのリスクは減ります。1日のお勧めの量は「適量」です。エタノールにして20g、日本酒1合、ビール中ビン1本、ウイスキーダブル1杯に相当します。また、日本酒を2合程度飲むと、肝臓での代謝は67時間かかるといわれ、睡眠中も肝臓はひたすら働かなければなりません。肝臓は大きい臓器ですので、あまり自覚症状は出ませんが、血液検査でのγ-GTPの上昇は肝臓が疲れてきているサインと考えられます。たまにはお休みを、ということで休肝日が12日必要です。アルコール健康医学協会では週休2日(23日飲んで1日休み)を勧めています。


 

4. おわりに


 以上飲酒について述べました。アルコールの健康被害について、おそらくそれほど浸透していないのが実状です。発ガンの危険性もタバコでは受動喫煙も含めて強調されていますが、飲酒についてはあまり言われていません。テレビのCMも高頻度に目にするところです(実際には自主規制はあります)。

 要は楽しく、健康への影響も少なく、長い間飲めることが大切です。そのためにはルールが必要で、適量、休肝日を今年のキーワードとしてお勧めします。


 

参考資料)

 ・多目的コホート研究「飲酒および飲酒パターンと全死亡・主要死因との関連について」

 ・アルコール健康医学協会 「適正飲酒の10か条」

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